原始鱈魚(げんし たらうお)のブログ

Bossa Nova・Samba MPB をギターで伴奏して一人で歌いたい人のブログです。

O cantador

O cantador (オ カンタドール) という曲があって、ボサノバを歌うグループレッスンでの課題曲となりました。
以前の曲の選出方法は、生徒が提出した候補曲の投票でした。ですが現在、コロナ禍で出席できる生徒が減ったので、それぞれ歌いたい曲の持ち回りになっています。という事で、今回はこの曲です。
O cantador  Dorival Caymmi ドリヴァル・カイミ  もしくはDORY CAYMMI ドリ・カイミの曲。
O cantador.jpg
一対一の個人レッスンなどでは接近しなかった曲で、はじめは乗り気ではなかったのですが、課題曲なのでなんとかこなそうと何回か聞いている時に、この曲のよさに気が付きました。ええ、名曲です。歌詞の意味、発音、言葉と言葉がくっつくところ、を何度も練習してもらうのですが歌えません。
2カ月ほど、車の運転などの移動時間に何度も聞いてみました。何時間か聞いたあたりで輪郭が解りだし、曲の骨格みたいなものを感じられました。そのときにレパートリーに加えておこうと思って演奏譜を書きました。
O cantador の英語曲名は「Like A Lover」となります。Jazzで歌うとそうなります。ラブソングになるのかな。こっちが好きな方がいます。このピアノ伴奏譜も参考に購入しましたが、原曲のポルトガル語で歌うO cantador とは雰囲気が違うような気がしましたので、使用しませんでした。
O cantadorは、なにか静謐な雰囲気があります。
O Cantador
A)
Amanhece, preciso ir
Meu caminho é sem volta e sem ninguém
Eu vou pra onde a estrada levar
Cantador, só sei cantar
eu canto a dor, canto a vida e a morte, canto o amor
Ah! eu canto a dor, canto a vida e a morte, canto o amor
B)
Cantador não escolhe o seu cantar
Canta o mundo que vê
E pro mundo que vi meu canto é dor
Mas é forte pra espantar a morte
Pra todos ouvirem a minha voz
Mesmo longe ...
C)
De que servem meu canto e eu
Se em meu peito há um amor que não morreu
Ah! se eu soubesse ao menos chorar
Cantador, só sei cantar
Eu canto a dor de uma vida perdida sem amor
Ah! eu canto a dor de uma vida perdida sem amor
各行の訳詞は他サイトを参照下さい。
 
歌の内容は、私は歌うことしかできない、愛を歌い、死をうたい、痛みをうたう、愛を失った人生の苦しみをうたう。
と大変テーマが重く、歌い手はただ、歌を選ばず、死を追い払うように力強く、視たとうりのものをうたう、たとえどんなに遠くても私の声が届くように、というものです。
 
これって、歌い手の覚悟と言えるもので、汎用で言うところの昔からの吟遊詩人とか、リュート、月琴、琵琶を伴奏で使う語り部たちの矜持のようなものでしょうか?
うたのグループレッスンでは、歌詞読みがあり、最初のAを習い、10.14小節目などのeu canto a dor,も裏拍でちゃんと入るように、裏拍で旋律を降りてゆくように指導をうけます。頭の拍からはいったり、裏拍で降りれなかったりすると、あか抜けない歌唱になり、講師はがっかりしちゅうようです、らじゃー。
 
2週目にBの盛上がるところを力を入れすぎないように、大げさにならず思いを秘めて旋律を何度も辿り、三週目にCへ。Cは、Aと楽譜上は旋律同じですが、歌詞が違うので別のタイミングで言葉を嵌めていく軌道(コース)を教えてもらい異なる稜線に沿うような感じで歌います。
C)
De que servem meu canto e eu
Se em meu peito há um amor que não morreu
のSe em meu peito há um amorなんかは、セウ、メウ、ペイトゥア、ウアモーだとか、字余りの時の基本的な音のくっつき、こなしなどを教えてもらいました。
最終の4週目は仕上げです。個人に合わせたキーで1人で歌って寸評とアドバイスがついて、みんなでぱちぱちしておしまい。平和な文化教室です。
 
幾つかの歌手の方の録音を聞きましたが、古い曲でカバーの数も多くアレンジも多彩で、A)B)C)の配置も自由に再配置、追加、端折って、歌われています。
僕は、一人で歌うときはA、A、B、8小節の間奏、B、C と、して、Bのパートに入ったら伴奏のリズム替えて、また戻して、あれやこれやしようと思います。
 
その順で平易に組んだ動画を揚げておきます。自動演奏なのであまりぱっと聞こえない8小節のギターコードも6弦だけで鳴らしてみるとそれらしい響きになるように、相談したギター講師さんからの提案の幾つかのプランうち僕が押さえられるダイアグラムの配置になっています。
この楽譜のコードのうちで僕に一番新鮮なひびきは、E(on D)で、歌詞を歌いながら鳴らすと、その都度、不思議な気持ちになります。

お疲れさまです。
今回は深い、重たい曲を体験できたので、次の僕の持ち回り曲は、O Pato、 Bim Bomとかをお願いしてみようと、ふと、思いました。桜が散っていきます。